法事の意味と法事の日の決め方のポイント

法事は基本的には命日に行うということを知っている方は多いと思います。

しかし、命日が平日だったり、親族が集まれない場合はどうしたら良いのでしょうか。

よく聞くのが、命日を過ぎてしまうと故人に失礼だから、法事は命日かそれよりも前に行わなければいけないというものです。

本記事では、そのような法事を行う日の決め方について、現役のお坊さんが解説します。

この記事で解決する疑問
  • 法事はなんのためにやるの?
  • 法事って命日にしないといけないの?
  • 命日にできない場合は、前か後にやってもいいの?

僕はお坊さんなので法事を行うことが多いのですが、実際に「法事って命日より前にしなきゃいけないんでしょ?」と聞かれることが多いです。

結論から言えば、浄土真宗においては必ず命日の前に法事を行わなければならないというルールはありません。

ただし命日の前か後かというルールはありませんが、言うまでもなく命日その日に法事を行うのがベストなのは間違いないです。

なぜなら語弊があるかもしれませんが、法事は誕生日等と同じように記念日行事だからです。

まずは法事とは一体どのような意味があるのかから解説していきます。

目次

法事は故人のことを思い出す記念日行事

皆さんは法事を行うのは何のためかわかりますか?

法事は亡くなった方を通して死について考え仏法を聞いていく場ですが、もう一つの大きな意味は亡くなった方を思い出し、その方に思いを馳せる場であることです。

大切な方、例えば家族であったり、友人であったりが亡くなった時はその方に対しての悲しい気持ちででいっぱいになると思います。

しかし、残酷な話ですがどれだけその方を思っていたとしても、人間はその人のことを徐々に忘れていってしまうものなのです。

もちろんその人のことすべてを忘れるわけではありませんが、細かなエピソードであったり、その人に対して自分がどのように思っていたのかだったりということの焦点が合わなくなっていきます。

記憶が色褪せていくと言った方が良いかもしれません。

僕自身、高校生の時に祖父を亡くし、20代の時には友人も亡くしています。亡くした時はとても悲しい気持ちでいっぱいだったのですが、1年も経つと悲しい気持ちもだんだんと薄らいでいきます。逆にそれが怖くもあります。

でも記憶であったり思い出がどんどんと色褪せていくのは当然のことです。人はそのように出来ていますから。

だからこそ故人を思い出すために法事が必要になってくるわけです。

思い出すのと同時に記憶に刻み付ける

では法事を故人を思い出すために行うのであれば、一人でお墓参りを行ったり、一人で仏壇にお参りしたりすれば良いと思われる人もいるかもしれません。

しかし、一人だけで思いだそうとしても、すべてを思い出すことには限界があります。

亡くなった人に限らず、ある特定の人についての記憶やエピソードをすべて語るというのは難しいですよね。現に生きていて、日ごろから接していたとしてもその人との思い出をすべて覚えているという方はいないと思います。

ですが、他の人としゃべっていたりすると確かそんなこともあったなと思い出す瞬間があるはずです。

そのため、法事は亡くなった人との細かなエピソードを思い出す機会となるのです。

なぜなら法事では家族や親せきが一同に会しますよね。みなさんでお食事を取られることも多いです。

法事の席では、亡くなられた人のことを誰もが語ります。それが結果的に亡くなられた方との思い出すことに繋がるのです。

その中で、亡くなった方について「生前そういえばこんなことも好きだった」とか「あの人実はあの時ね・・・」と、他の方から思いもよらなかった生前の姿を知ることができるかもしれません。

亡くなられた方と親しかった人が集まる機会というのはなかなか無く、葬儀後では法事くらいなんじゃないでしょうか。

そして、それは亡くなられた方が生きてきた背景やその背後にある物語を再確認し、新しく記憶に刻み付ける場でもあるわけです。

そのように、法事は亡くなられた方のことを思い出すのと同時に、亡くなられた方の姿を新しく記憶に刻み付ける場所でもあるというわけです。

法事はみんなが集まれる日にしよう

法事を行う意味は、上で説明した通り亡くなられた方を思い出し、その姿を新たに記憶に刻み付けることです。

ですので、法事を命日の前に必ず行わなければいけないということはありません。

むしろ命日の前にやることをこだわって集まる人数が少なかったとなれば、法事をやる意味が半減してしまいます。

なので、みんなで亡くなられた人のことを語り合うために多くの人が集まれる日を設定するべきでしょう。

もし可能ならば命日のその日に集まることが出来ればベストですが、人数が少なければ別日でもかまいません。

例えばお誕生日会も、その日に集まれれば良いですが、誰も来なかったとなったら意味ないですよね。要はそれと一緒のことです。

しかし気になるのが、命日の後に行うと亡くなられた方に失礼じゃないか?亡くなられた方がよく思わないんじゃないか?と思われる人もいるかもしれません。

でも、浄土真宗では亡くなられた方は仏さまです。仏さまの心はそんな狭くないので安心してください。

むしろ、みんなが集まってくれる方を重視していると思います。

まとめ

法事を行う日を気にされる方が結構いるように感じます。

ですが一番は多くの人が集まれる日に行うのが重要です。

だから、法事はみなさんが集まりやすい土日に行われることが多いのですね。

変な考えに囚われずに、法事の場をより良いものとしてくださいね。

※本記事の内容について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性を保証するものではありません。特に宗派や地域慣習によって大きく左右される事柄もございますし、個々人の宗教観によっても意見が違う場合も多々ございます。本記事の内容を参考にされる場合はあらかじめご注意ください。

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