葬儀はなんのためにあるのか?葬儀の3つの意味を現役のお坊さんが解説!

人が亡くなった時、葬儀を行うということが古くから行われてきました。

しかし、葬儀を行う意味って一体何かわかりますか?

葬儀を行うのは当たり前のことのように感じますが、なかなかその意味について答えれる人は少ないんじゃないでしょうか。

そこで本記事では、葬儀に日常的に携わっている現役のお坊さんが、葬儀の意味について解説します。

この記事で解決する疑問
  • 葬儀ってなんのためにやるの?
  • 葬儀は誰のために行うの?
  • そもそも葬儀ってやる必要があるの?

葬儀を何度も行うって人は少ないので、葬儀をなぜやるのかという理由がわかりにくくなっているのも事実だと思います。

結論から言うと葬儀には大きく分けて3つの意味があります。

  • 1つ目が、遺族や友人・知人の悲しみを和らげること。
  • 2つ目が、1つ目と関連しますが故人の知らない一面を知るためです。
  • 3つ目が、故人から大切なことを学ぶためです。

詳しく解説していきます。

目次

葬儀を行う意味は故人の家族だけでなく、友人・知人の悲しみも和らげてくれるから

葬儀というと亡くなられた方のために行う、又は亡くなられたご家族の悲しみを和らげるために行うんだろうと思う方が多いと思います。

もう一つ忘れがちなのが、葬儀は亡くなられた方の友人や知人のためにも行われるということです。

人生は長いです。今は人生100年時代なんてことも言われていますよね。その中で、亡くなられた方の交友関係をご家族がすべて把握しているというのは稀なことでしょう。

葬儀を行う際には、ご家族が把握されている親しい友人や知人には連絡すると思います。しかし、友人同士・知人同士のネットワークによって「〇〇さん亡くなったんだって。葬儀は何日に行うらしい」という情報が広まり、実際の葬儀の日には、思っていたよりも多くの人が参列されたということが結構あったりします。

ご家族の方もこんなに交友関係が広かったんだとびっくりされる方も多かったりします。

自分が思っているより人間は冷たくなく、少しくらいの付き合いでも最後くらいは見送りたいという方が結構たくさん出てきます。

しかし、直葬や家族葬の場合は親族だけで葬儀が行われてしまうので、原則として友人・知人は参列することができません。

葬儀後に弔問すればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、葬儀は亡くなられた方の顔を見る最後の機会となってしまいます。

直葬や家族葬で逆に対応が大変になることも

直葬や家族葬では基本的に親族のみで行いますので、友人や知人は参列することができません。

その結果、葬儀後に友人や知人がご家族の家に弔問し、せめて線香だけでもあげたいとたくさんの人が訪れる場合があります。

一人や二人であれば、問題ないかもしれませんが交友関係が広かったりすると、たくさんの人が訪れて葬儀より大変だったというご家族の方も結構いらっしゃいます。

だから安易に直葬や家族葬を選択するのはオススメできません。

直葬や家族葬は後から後悔するケースが多い

様々な理由で直葬や家族葬を選択する人は多いですが、直葬や家族葬は本当にあっけなく終わってしまいます。

僕はお坊さんなので、49日、一周忌、三回忌とその後もご家族とお話をさせていただく機会が多いのですが、結構な確率で「本当にこれで良かったんだろうか?もっときちんとした葬儀をやった方がよかったんじゃないか?」と悩まれる人が結構います。

しかし、葬儀は一回きりですので再度行うということはできません。

後々後悔を抱えないよう安易な選択はやめた方が良いでしょう。

葬儀は故人の知らない一面を知る機会となる

今でこそ大きな葬儀は稀になってしまいましたが、昔は葬儀では友人・知人・会社関係の人など多くの方が参列されるのが普通でした。それこそご家族の人にとって「この人誰?」という方も参列したりします。

あんまり知らない人を呼びたくないという人も増えてきていますが、家族があまり知らない人が参列することに大きな意味があったのです。

なぜなら、参列された方はご家族が知らない故人の一面を知っていることが多いからです。

葬儀に参列されているということは、亡くなられた方と何かしらの接点があったはずです。

故人の趣味の仲間かもしれないし、仕事を通じて知り合った人かもしれません。

人はご家族に見せる顔、友人に見せる顔、仕事先で見せる顔と、それぞれ違ってきます。

仕事先の人に家族と同じように接する人はいないでしょう。

葬儀には、そのような別の一面を知っている人が多く参列するのです。

葬儀は故人に思いを馳せる場であると同時に、多くの人に故人がどんな人だったか?を確かめる最後の機会となるかもしれません。

実際、話してみると「この人、家ではすごく優しかったけど、仕事先ではとっても厳しい人だったんだな」と仕事先での姿を知るという方も少なくありません。

葬儀は、故人を弔うのと同時に、故人の姿・生き様を自分自身の思い出として忘れないよう記憶に焼き付ける場という側面もあります。

このように、葬儀は故人の知らない一面を知る機会として大切に行われてきたのです。

葬儀は故人から学ぶ場でもある

葬儀はご家族や友人・知人が故人を弔う場であるのと同時に、故人から大切なことを教えてもらう場でもあります。

何を教えてもらうのかというと「人は必ず死ぬということ=諸行無常」についてです。

僕たちは、普段自分自身の「死」について考えることはあまりありませんし、考えることを避けてもいますね。

しかし、若い人も老いている人も、裕福な人も貧しい人も例外なく死を迎えることは誰も否定することができない事実です。

浄土真宗では亡くなった方の人を「ほとけさん」と呼びます。刑事ドラマなんかでも事件現場で遺体を「ほとけさん」と呼んでいるのを見たことがあると言う方も多いと思います。

なぜ亡くなった方を「ほとけさん」と呼ぶのかというと、浄土真宗では亡くなられた方は浄土に生まれて仏となるからなのですが、その前に「人は必ず死ぬんだよ」という真理を身をもって教えてくれる存在だからです。

「お前もわしと同じように死んでいくんだぞ。だから1日1日を当たり前と思わず、後悔のないようしっかり生きるんだぞ」と教えてくれているのです。

だから浄土真宗では亡くなられた方を「ほとけさん」と呼んで大切にしてきたのです。

そのように葬儀の場は、亡くなられた方を通して、自分がこれからどのように生きていくのかを考えるきっかけを与えてくれる大切な場なのではないでしょうか。

まとめ

葬儀の形は、ここ10年で大きく変わり簡素化が進んできています。

しかし葬儀が今日まで続けられてきたのは、そこにはお金で測れない日本人が大切にしてきた価値観があるように思います。

様々な事情で簡素な葬儀を選ばれる方もいらっしゃるかもしれませんが、葬儀の意味について今一度考えてみていただければありがたいです。

※本記事の内容について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性を保証するものではありません。特に宗派や地域慣習によって大きく左右される事柄もございますし、個々人の宗教観によっても意見が違う場合も多々ございます。本記事の内容を参考にされる場合はあらかじめご注意ください。

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