葬儀の時にどこに手を合わせるのか?お坊さんが解説

お葬式では、必ず手を合わせますよね。お葬式の最中、何度も合掌する場面があると思います。

一般的には、祭壇の方に向かって合掌しているので亡くなられた方に対して手を合わせていると思っている人がほとんどだと思います。

しかし、実は亡くなられた方に手を合わせているわけではありません。

本記事では、葬儀に携わる機会が多い現役のお坊さんが、葬儀の時にどこに手を合わせるのか?について解説します。

この記事で解決する疑問
  • 葬儀ではどこに手を合わせたら良いのか?
  • 葬儀の時に合掌する意味は?

実は僕もお坊さんになってから知ったのでびっくりしたのですが、実は浄土真宗では亡くなられた方に対して手を合わせているんじゃないんです。

じゃあ、どこに手を合わせているのかというとご本尊に対して手を合わせているんですよね。

詳しく解説していきます。

目次

祭壇の中心には必ずご本尊がある

お葬式に参列したことがあるという方は、その時のことを思い出してみてください。

お葬式会場の正面にはお花等で飾られた祭壇があり、その祭壇の手前に亡くなられた方が入れられた棺桶が安置されているのが一般的だと思います。

そして祭壇の真ん中には、必ず掛け軸で「南無阿弥陀仏」と書かれたご本尊が置かれていると思います。掛け軸ではなく、三つ折りや額縁に入った阿弥陀如来の絵像の場合もあります。

最近では葬儀社によっては、祭壇の飾り等で半分隠れてしまっている場合もあったりしますが、祭壇の中心には必ずご本尊が安置されています。

だから、葬儀を行うお坊さんはもちろんのこと、参列する人みんながご本尊に向かって手を合わせているということになるのです。

出棺の時も同じ

お葬式が終わったら、火葬場へと出棺されることになると思いますが、その時も例外ではありません。

え、ご本尊はお葬式の会場に置きっぱなしだけど?と思われるかもしれません。

しかし、実は棺桶の中に棺書という紙が貼りつけてあるんです。この棺書は通常参列した人には見ることができません。

なぜなら張り付けてある場所が棺桶の蓋の裏だからです。亡くなられた方のお顔を拝見する時に場合によっては見れたりしますが、通常見えるところにはありません。

そして、その棺書には亡くなった方の「命日」「法名」「年齢」と「南無阿弥陀仏」と書かれているんですね。

浄土真宗では「南無阿弥陀仏」と書かれた名号もご本尊なので、棺桶の中にもご本尊があるというわけです。

だから、出棺の際に手を合わせるときや、火葬場で最後のお別れをする際にも、実は棺桶の中の棺書に書かれたご本尊に手を合わせているということになるんですね。

亡くなられた人と参列した人みんなが一緒に手を合わせる

先ほどから見てきたように、お葬式では亡くなった人にではなくご本尊に手を合わせていると説明しました。

でも参列している人にとってはなんだか納得できないような話ですよね。

でもこれにはちゃんと理由があるんです。

お葬式の会場に置いてあるご本尊については、ご家族や参列した方が手を合わせるためということはもちろんあるのですが、亡くなった方が最後に手を合わせることになるご本尊でもあるんですね。

亡くなった方は棺桶に入っているため見えませんが、必ず手に念珠を握っています。

そして、棺桶の蓋の裏面に棺書が貼ってあるのは、亡くなった人の正面にご本尊があるということになるんですね。

だから浄土真宗のお葬式では、亡くなられた方と一緒に亡くなられた方が大切にされてきたご本尊にみんなで手を合わせましょうという意味があるわけです。

もう一つ、浄土真宗では亡くなられた方を仏さまとしています。

そして亡くなられた方は葬儀を行うお坊さんよりも前に置かれていますよね。

このことからも、亡くなられた方=仏さまが敬うご本尊にみんなで手を合わせましょうということになるわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕もお坊さんになるまでは知らなかったことなので、仏教に馴染みのない方はほとんど知らないお話だったと思います。

このように浄土真宗の葬儀には、結構独特の考え方があったりするので要チェックです。

※本記事の内容について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性を保証するものではありません。特に宗派や地域慣習によって大きく左右される事柄もございますし、個々人の宗教観によっても意見が違う場合も多々ございます。本記事の内容を参考にされる場合はあらかじめご注意ください。

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